旭化成株式会社 守山製造所 分離膜についての出前授業

 1月16日(木)1限3年生理系「生物」と2限3年生「科学と人間生活」の授業で、旭化成株式会社守山製造所製造統括本部の方々による出前授業を行いました。

 地元守山市に立地する同社守山製造所で製造されている「分離膜」をテーマとして、分離技術の概要、分離膜の特徴、同社製品である中空糸膜による物質除去の原理と用途について学びました。その後、中空糸膜を用いたろ過実験に取り組みました。

 ろ過実験では、まずコーヒーフィルターおよび中空糸膜をそれぞれ使用して墨汁をろ過する様子を演示していただきました。墨汁をコーヒーフィルターでろ過した場合には、フィルターを通す前とほとんど変化がなかったのですが、中空糸膜でろ過した場合は無色透明になり驚きの声が上がり、中空糸膜の孔径の小ささを実感することができました。次に、オロナミンCとドデカミンを中空糸膜でろ過しました。似たものどうし、同様の結果になると予想したものの予想とは異なる結果になり、なぜ異なる結果になったのかを考察しました。オロナミンCとドデカミンの成分を比較し、共通点と相違点を探したり、色の原因物質を見定めたりしました。「中空糸膜は分子のサイズによる膜の孔の通り抜けのほかに物質の吸着のしやすさでろ過されるか、されないか」が決まることが分かりました。「ろ過した溶液をもう一度ろ過してみたらどうなるのだろう」と生徒から疑問も出て、追加実験を行うなど、生徒自身が主体的に取り組む姿がありました。

 地元企業が製造している製品を題材とすることで、生徒自身が身近に感じることができ、科学に関する知識の向上および生徒の探究する能力と主体的に取り組む力を身につけることが期待されます。

 最後に、同社に就職し今年度より働いている本校の卒業生よりメッセージをいただきました。特に人とのつながりの大切さについて話していただき、これから進学する生徒、就職する生徒も心に刻み込んだことと思います。ご講義をしてくださりありがとうございました。