佐川美術館学芸員さんによる講義『ポケモンと工芸の化学反応』

1年生の美術Ⅰの授業では、『伝統文化と現代』をテーマとして校外と連携したプログラムを行っています。

6月6日(木)の授業では、佐川美術館の学芸員藤井康憲さんをお招きして『ポケモンと工芸の化学反応』というテーマで講義をして頂きました。

ちょうど6月9日(日)まで同館で開催されていた展覧会『ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―』は、ポケモンという二次元の現代キャラクターが、長い歴史と卓越した技術に支えられた伝統工芸や職人、アーティストと出会い生まれた作品の展覧会でした。普段はアニメやゲームには触れていない作家さんも、それぞれの感性と技巧を駆使して、陶芸、木工、染色などの自分の作品に取り込み、一体どのような作品となったのか…こだわりの技で極めていく様子は圧巻でした。

2学期には、学校周辺の文化財のフィールドワークや、信楽にあるセラミックを用いた先端技術の会社に協力頂く講義などを通して、伝統文化や文化財と現代、私たちのこれからの関わり方をさらに考えていきます。

【生徒の感想】

・1つ1つの作品に作家さんのこだわりを感じた。ポケモンの世界観を崩さずに日本の伝統をどう入れるか、考えがたくさんつめこまれている作品だなと想った。

・鳳凰の作品では虹が表されていたり、麻の葉つなぎという伝統的な表現が細かく使われていた。信楽焼は「スカーレット」が特徴なので炎タイプのポケモンが作られていたり、窯の中の作品の配置によって、赤と白に色が出るように計算して置かれているのがすごいと思った。

・鳳凰の作品に使われている文様は子どもの成長を願うという意味が込められていたり、青海波のメッソンの作品には、人々の平穏な暮らしを祈る作品があった。作品1つ1つに様々な願いが込められていることがわかった。

・伝統文化は次代とともに形も変化しているものだなと思った。

・信楽焼は少し知っていましたが、あまり興味はありませんでした。しかし、この講義を聞いて、僕の好きなポケモンが信楽焼でも活かされることを知り、興味を持ちました。