ヨシを刈って作品を作って考える~2年生美術の連携授業~

2年生の美術の授業では「ヨシを知り、考える」というプログラムを行っています。国土交通省近畿地方整備局琵琶湖河川事務所と守山市環境政策課にご協力頂き2年目となります。
■2学期には、琵琶湖や野洲川の環境保全やヨシの再生事業について、琵琶湖河川事務所事業対策官の小髙さんからお話を聞きました。ヨシ帯が水質改善や生き物の住処になること、そのヨシを刈ることで再生を促すことなどを学びました。



3学期には、三週連続で校外で活動しました。
に■1月14日、野洲川の右岸においてヨシ刈りを行いました。最初のうちは、自分の背丈以上の高さのヨシに圧倒されていた生徒も、琵琶湖事務所や守山市環境政策課の方々と一緒に、なれない鎌を持って作業を進めるうちに、すこしづつ刈り方のコツをつかんでいったようです。刈り取られたヨシがどんどん集積場所に集められていきました。









■1月21日には、守山市のエコパークで、刈り取ったヨシを使ってアート作品の製作を行いました。まずは、発泡スチロールの板に自分の名前のイニシャル一文字を書いて、スチロールカッターで切り抜き、文字の型枠を作ります。細かく粉砕したヨシと無害の樹脂、琵琶湖岸の細かい砂を混ぜ合わせたものを、その型に詰め込みました。
守山市環境政策課の髙井さんと、刈り取ったヨシを再利用する案を考えました。「ヨシを粉砕して枕に入れたらいいのでは…」など、いろいろな意見がでました。






■そして、一週間たった1月28日の授業では、前の週に作った型の中から、固まった文字を取りだしました。取り出した文字は今後、着色した板に貼り付けて仕上げます。最後に、環境政策課の中江さんから、この授業についてまとめの講義がありました。 3月には染織家さんとコラボして、ヨシから抽出した染液を使って、染色作品を作る予定です。










ヨシを焼却炉で焼くとシリカという物質が発生して、炉の内部を痛めるという問題があるそうです。このプログラムはヨシを通して自然、環境や暮らしとの繋がりを知り、さらにヨシを利用して作品を制作することで「社会へメッセージを送る」アートの役割やその意義を、考えるものです。
この一連の活動を通して何かに気づいたり、いつか何かを思い出したり…その内容もタイミングも、生徒一人一人それぞれ異なるかもしれません。今、本物の体験を通して多くの人と出会うことを大切にしています。
野洲川河川やエコパークでの活動の際には、国交省琵琶湖河川事務所や守山市にバスを用意して頂きました。
一連のこのプログラムにご協力くださいました皆様に、お礼申しあげます。
※琵琶湖河川事務所のHPにも掲載いただきました(クリックでリンク先へ)

【生徒の感想】
・ヨシが保護されている理由を知った。水質浄化や生物多様性の保全などの役割もあるから、ヨシは大切に育てていくべきだと思った。ヨシを刈るのは大変だったけど、自分たちで刈ったヨシが自分の作品に変わっていくのがうれしかったし、楽しかった。
・ヨシを刈るとき、緑のトゲがちょくちょくじゃまをしてきて、とても大変だったけど、意外と僕たちの生活に関わっていることを知れて、刈ってよかったと思った。
・私は、ヨシの名前しか知らなかったので、少しでも良い環境になるようにしたいと思うきっかけになりました。
・ヨシが意外に硬かった。ヨシの活用方法について考えるのも面白かった。滋賀の中だけでなく、たくさんの環境についての取り組みで、自分ができそうなものを探そうと思った。
・自分たちのしている芸術活動が環境にもよい影響を与えていることを教えてもらって、この活動が誇りに思えた。ヨシ刈りがとても楽しかった。
・ヨシの意味をしっかり分かったうえで、ヨシ刈りや作品制作に取りかかった。環境をキレイにする役にも立って一石二鳥だと思った。最初はめんどいなと思っていたけど、ヨシ刈りをすることで生態系や水質を守ることを知ってから、やる気が出た。
・環境を守るために手入れをして生活しやすくすることが大切だと思った。ヨシを使って作品を作って再利用をするという考えがよかった。
・ヨシの使い道があっても、より多くの人が使ってくれなければ意味がないと思った。他の県の人にもヨシについて知ってもらったり、外国の人にも知ってもらえば、日本になくても外国にあるもので使えるものがあるかもしれないと思った。ヨシをつかった遊びなどもあったら、子どもから大人まで多くの人が知ってもらえると思った、
・作品を製作することによって、残渣を減らして環境問題の根本的な解決、改善にもつながる。もっとヨシを環境によく処分するにはどうすれば良いかを考えるのが難しかった。
・ヨシ刈りをやる前はあまり重要性がわからなかったり、どちらかというと消極的だったけど、いざやってみると爽快感があったり、刈ったあとにスッキリしている様子を見てすごく楽しかったし、ヨシ刈りによって琵琶湖の状態が守られると理解した。琵琶湖の水質改善や生態保全につながるヨシを守ることがとても大切であると分かったので、ほかの色々な取り組みも知りたいと思った。


