「地獄絵図」を話して考える~観音寺×滋賀県文化財保護課×美術1年生の連携授業~

 美術Ⅰ(1年生)の授業では、「文化財を知り、考える」というテーマで外部講師による講義や現地見学を行っています。先日はその一環で、本校から自転車で10分ほどの守山市水保町にある観音寺を見学しました。

 観音寺には守山市の指定文化財である「地獄絵図」(絹本着色十王図)があります。室町時代に制作されたこの仏画には、死者が生前の功罪によって裁かれ、いろいろな処遇を受ける場面が描かれています。
 この日の授業では、生徒は五幅(五作品)の掛け軸の前に分かれ、生徒たちだけで何が描かれているかを話し合って考えました。その後、ひとつの作品の前に全員が集まり、見る人と意見交換する対話による鑑賞を、5作品で順に行いました。

 当日は観音寺ご住職と滋賀県文化財保護課の方に、ご説明や案内をして頂きました。この地域には、長い間守られてきた貴重な文化財がたくさんあります。そこに携わる方々から直にお話しを聞き、生徒が実際に自分の目で見てさらに考える活動が、日々の授業でも展開しています。

【生徒の感想】

・観音寺のことを詳しく知れた。なんとも思っていなかった掛け軸は、考えたり話を聞いたら興味がわいた。

・最初に見たときは何がかかれているのかわからなかったけど、ご住職のお話を聞いたり、自分たちで考えたりして、より考えを深めることができたので、よかった。

・ひとつひとつ個性あふれる絵があり、それぞれ思うことが違うところもとてもよかったし、新しい考え方も思いつきました。

・なかなか中に入り鑑賞することはないので、新しいことができた。もっと伝統文化を見て鑑賞したい。